昨年、放送された日テレ系ドラマ「セクシー田中さん」の原作者が亡くなった問題に進展。
日テレが原作者の権利を軽視していたため、原作者の死に繋がったのではないかと批判が殺到した。
問題が大きくなり、日テレで第三者を交えた特別調査チームが発足。
そして小学館側でも調査チーム発足。
5月のGW空けにも調査結果を報告することになっていた。
いつ公表されるのか気になっていたが、6月になる手前で公表された。
日テレは、全部で90ページを超える超大作の報告書(別紙を含めて100ページ規模)となる。
小学館側も同じ規模の調査書を公開。
どちらも、そりゃ時間かかるなって思うくらいの調査書だった。
亡くなっている方がいるのでおふざけ無しで、改めてセクシー田中さん問題と調査書の中身について主の意見を語る。
基本的に誰のことも悪く言うつもりは無いので悪しからず。
公開された調査書
参照記事:ドラマ「セクシー田中さん」社内特別調査チームの調査結果について 日本テレビ公式ホームページより
参照記事:特別調査委員会による調査報告書公表および映像化指針策定のお知らせ 小学館公式ホームページより
調査書の中身
それぞれ調査書には、弁護士や関係者の実名なども報じられている。(匿名になっている人物もいる)
まず日テレが5月31日に、小学館側は6月3日に調査書を公開している。
ある程度、タイミングを合わせたのかは不明。
主は、それぞれの報告書を読んで、事実関係に大きく異なる点は見受けられないと感じた。
見解は多少異なるけど、事実ベースに矛盾は無さそう。
調査書は、外部の弁護士も加えた社内特別調査チームを設置して事実関係や問題点などを調べたもの。
共通している原因は、ドラマ制作にあたった日テレ側と原作者側との意見の食い違いだろうか。
原作者と脚本家の間でトラブルに発展して、原作者がブチギレて不満を溜め込んだこと。
その経緯などについて綴られている。
結果的に、そこから原作者が亡くなることに繋がったとされているが真相は果たして…。
原作者の意向
もともと原作者は、「原作に忠実にすること」をドラマ化の条件にしているとSNSなどで投稿していた。
でも日テレの調査書によれば、小学館側からドラマ化の条件として明確に伝えられたという認識はなかったらしい。
また日テレの調査書によれば脚本家と原作者が直接会う機会が無かったらしい。
小学館側もそれについて疑問を感じているとのこと。
またドラマ制作側から嘘をつかれて、原作者が不信感を抱いたことも報告されている。
撮影前だったけど、撮影終了と嘘をついて制作を進行したことなどがあったらしい。
出演者のスケジュールや天候などの都合で、撮影現場に迷惑がかかるから嘘をついたけど、原作者にバレてしまった。
これが結果的に原作者の不信感がどんどん募る結果になった。
脚本家の降板
さらに「セクシー田中さん」は原作が連載中だったから、ドラマ完結のために「オリジナル展開」が必要だったことも日テレが報告している。
でも原作者は改変をしないでほしいと伝えていたため、オリジナル展開の脚本を巡ったトラブルになった。
その結果的に担当の脚本家を降板させて、原作者が脚本を担当するカタチで決着した。
脚本家によると、日テレから
「降板を受け入れないと本編放送や二次利用についてもすべて差し止めると小学館が言っているので受け入れてほしい」
とお願いされたらしい。
これで脚本家が仕方なく大人の対応で降板したことなども報告されている。
また脚本家は番組クレジットに名前を乗せてくれなかった事に対しても不満があったとのこと。
日本テレビに決定権があるはずなのに、日本テレビは最後まで自分を守ってくれなかったと主張している。
でも日テレが泥をかぶり、大人の対応で脚本家に降板してもらうカタチで、ドラマの最終回を乗り切った。
原作者と契約書を交わさず
日テレ側によると、原作者や脚本家と放送前に契約書を締結していなかったらしい。
今後は、原作者や脚本家と可能な限り早期に契約を締結することが望ましいと伝えている。
また小学館側は、日テレの対応には一部で疑問を感じているようだけど、基本的に日テレ側が悪いとは考えていない(原作者が悪いとも言っていない)。
小学館も共通の意見としても、契約を早い段階で結ぶべきだったこと等を伝えている。
双方とも制作に向けたスケジュールの余裕の無さなどが、原作者に納得した契約に繋がらなかったことなどを課題に挙げているように思う。
また小学館は、脚本家と原作者との調整が難航した点(直接、話し合う場がなかったこと)以外は、特に日テレの対応に疑問を感じていないらしい。
組織としての考え方は近いのかもしれない。
ただし、原作者と脚本家を過度に合わせることはトラブルに繋がる可能性もある。
なぜなら話が進まなくなるから。
以前、タレントの東野幸治氏が自分がプロデューサーなら脚本家と原作者を過度に合わせないと発言して炎上した。
たぶんテレビ目線で考える東野氏が素直に思ったことを発言しただけだと察する。
そういう意味では、日テレ側のプロデューサーが原作者と脚本家の接触を避けさせた可能性もあるかもしれない。
日テレは悪くないのでは?
主は双方の調査書を見ても、意見が変わることは無かった。
この件では、世間全体として原作者擁護の意見が目立つ。
でも主の意見としては、小学館や日テレ側はそこまで悪くないのでは?という持論を発信してきた。
あくまで日テレ側は、テレビ局(ドラマ制作側)としてやるべきことをやっていると感じる。
制作陣や脚本家を守る立場という意味でだ。
また小学館側も原作者を最低限度守る取り組みはしている印象。
守るべきものの違いで小学館と日テレ側に多少の温度差があるのは仕方ない。
世間では、原作者を守れなかった小学館や日テレ側が袋叩き。
どうしてもテレビ局や出版社は、殿様商売的な態度の大きさとか強気な部分があると思う。
原作者より立場が上であるという意味で考えている部分もあるだろう。
でも主は、日テレ側だけじゃなくて原作者側の落ち度もあるんじゃないかと考えている。
なので原作者側の主張がすべて正しい前提で話が進むことに疑問を感じている。
メディア化はビジネス
そもそも原作者死亡に関する情報が不明だ。
動機や死因など、詳細が一般的に公表されていないものが多くて判断に困る。
日テレが原因なのか、元々精神的に不安定だったのかもわからないから決めつけられない。
もちろん原作者の権利が守られるのが一番である。
著作権の関係で、原作者の著作物が大事に扱われることがベストだ。
ただし原作のメディア化は、ビジネスで動いている。
スポンサーが絡むので、原作者の個人的な希望がすんなり通るものでもない。
原作者も制作側やスポンサーの希望に沿って柔軟に対応すべきである。
結局、スポンサーの意向、スポンサーへの配慮、何かしらの力が働いたのかは不明。
調査書にもスポンサーについては報告されていない。
おそらく特定のスポンサー名を出すわけにもいかないであろう大人の事情だ。
メディア化には、スポンサーの意向などの影響力が大きい。
そのわりに、原作者がメディア側に口を出し過ぎじゃね?と思ったりもした。
原作者がメディア化をしたくなかったけど、条件付きでテレビ局側がどうしてもメディア化したいという話だったなら、わからなくもない。
だとしても報告書を見て、こんなにも原作者が口を出すものなのかと思った。
そもそも出版社を通して連載させてもらうことで、作品が社会に認知されて成功するきっかけになっている。
原作者が成功しているのは、ひとりの力だけじゃない事を理解すべき。
もちろん制作側にだって都合がある。
予算や出演者のスケジュールで、可能なことや不可能なことだってある。
メディア化は、原作者と多数の関係者の信頼関係で成り立つものだから、全部が思い通りにいくものじゃないと理解すべきだろう。
世間は原作者に寄り添った意見が多い
以前、このような意見を主が動画で発信してきた。
結果的に、主のYouTube投稿活動で過去一番の批判をいただくことになった。
絶賛、低評価と批判コメントをいただく結果になった。
もちろん主の意見に賛同してくれる人もいるけど、高評価率は驚異の一桁。
主は、この件について平等な目線で動画配信をしてきたつもり。
だから逆張りをするつもりはまったくない。
その上で、小学館や日テレ側の方が正しいのではないかと考えている。
主も一通り、資料に目を通させてもらったが、そこまで目新しい情報は無かった。
内容としては、ドラマ制作決定からドラマ放映までの原作者とのやりとり、今後に向けた改善策などがメイン。
読み上げると時間がいくらあっても足りないほどの濃い内容。
読む人によっては薄っぺらいらしい。
いつになったら調査報告が公開されるのかと話題にもなっていたが、これだけの調査をしていたのなら6月のタイミングだとしても納得。
正直、日テレ側の報告を読んでいるだけでは意味がない。
せっかくだから小学館の調査書も読んで、動画の続編作ろうと思った。
本当なら、原作者側も報告書を出してくれることが望ましかったけど、叶わなくなってしまったことが残念である。
今後の対策
また小学館側の解決策としては、作家を孤立させないためのサポートや専門窓口の設置などを伝えている。
日テレ側も、相談窓口の設置などを報告。
激務であるプロデューサーなどの意見も聞き取る。
しかしながら日テレの報告書としては、言い訳ばかりで何の解決にもならない内容だと叩かれたりもしている。
でも日テレの言い分もビジネスとして考えたら、理解できるものが多い。
その中で、特に気になったポイントとしては、
・原作者との契約
・脚本家の立場
である。
はっきり言って、日テレが原作者と詳細な契約を交わしていなかったことがすべて。
本来なら弁護士を交えて、分厚い契約書を用意してトラブルが発生しないようにすべきだった案件だ。
今までの慣習から、細かい契約をしないことで成り立ってきた。
小学館側も、番組スケジュールの兼ね合いなどで、契約を急がねばならぬケースがあるとのこと。
結果、契約を交わさないまま制作が開始される事があることなどを伝えている。
なんならメールで契約を交わしたことにしているパターンもあるとか。
契約書を交わしてからドラマを制作するのではなくて、ドラマ制作が決定してから契約書を交わすとなれば原作者にもプレッシャーがかかる。
話が進行中で中止にはできない状態だと、原作者は制作に協力するしかない状況だろう。
こうした文化のなかで、詳細な契約を打合せすることなく、何となく制作がスタートしてしまうことがトラブルのきっかけになる。
原作者の主張が正しいという風潮
でも漫画家も出版社と取引している以上、ビジネスとしてメディア化の話も柔軟に引き受けるべきとは思う。
漫画家だって、ある意味で出版社に雇用されている非正規社員と同じような存在でしかない。
だから完全に自分の自由に、やりたいように作品を描けるわけじゃない。
芸術の世界とはいえ、金を出してくれる人の下で働くなら、ある程度の融通を利かせるのも大事だ。
会社員が好きな仕事だけをできるわけじゃないのと一緒である。
とはいえ、今までこうしたテレビ局や出版社側の文化が詳細な契約を結ばなくても、制作が原作者の意図と疎通しないまま進められている背景があるのは確か。
また契約がない以上、最終的な著作物に対する権限は原作者有利だろう。
これが今まで、大きな問題として取り組まれてこなかった部分もある。
だから日テレ側による改変なども、問題視されれば無視はできない。
でも出版社側も単行本を売るために、そこまでテレビ局側に文句を言わなかった。
それこそ逆にいえば、原作者が主張する内容(原作通りの制作)も、口約束に過ぎなかったと言える話。
原作者が主張している内容が、最初から交わされている約束だと証明できないことにもなる。
なので原作者の主張が正しいという考えは根底から崩れたと言えるだろう。
あくまで著作物は作者のものであるけど、権利を主張するならビジネスとして契約をしっかりと結ぶべきだった。
この件に限らず、今後は弁護士を交えて互いに譲れぬ主張をぶつけて詳細まで契約する必要がある。
そこまで面倒なことをしてまで、テレビ局側がメディア化に踏み切るのかは不明。
できるだけ文句を言わない原作者に仕事の声がかかるようになり、面倒な作家にはメディア化の話がいかなくなるだけだろう。
結果的に漫画家の仕事を減らすきっかけにもなったのではないかと思う。
最大の被害者
そして一番気になったポイントは脚本家の立場。
この件では、担当した脚本家もかなり叩かれた。
でも実際は、脚本家こそが一番の被害者だったとも言える。
脚本家は、原作者と制作側の板挟み。
原作者の作品のイメージを壊さぬよう、制作側やスポンサーの要望を取り入れて仕事をする。
ある意味で中間管理職のような、縦からも横からも文句を言われるストレスMAXな立場。
原作者の理解を得られず、制作側から体裁を保つために降板をさせられた。
脚本家のプライドがズタズタになるような仕打ちを受けていると言える。
しかも、原作者が亡くなった原因の一因として脚本家が世間からも袋叩き。
改めて、一番の被害者は脚本家なんじゃないかとさえ思った。
脚本家の作る台本がどのように評価されるのかは別として、批判ありきの大変な仕事だなと思う。
守るべきは脚本家の尊厳だったのかもしれない。
まとめ
原作者のご冥福を祈ると共に、作家やメディア化に関わるすべての方々が良好な関係を構築していくことを期待している。
これからも我々一般人に素晴らしい作品を届けてくれることを祈っている。
主はどちらかといえば、原作者よりも日テレや小学館側の立場に寄り添った目線で考えている。
報告書を呼んでいる限り、出版社とテレビ局側は双方を過度に批判したりはしていない。
ビジネスパートナーして持ちつ持たれつでやっている印象だ。
現役の漫画家の中には、お世話になった出版社やメディア化に携わった関係者に感謝している人も多数いる。
ぜひ日テレ側の調査書だけでなく、小学館側の調査書にも目を通してほしい。
あくまで詳細な約束を取り決める契約が無かった以上は、原作者側も日テレ側も口約束をしていただけに過ぎない。
どちらも一方的な主張を通すのは難しいのだ。
出版社とテレビ局に共通している意見としては、早期の契約締結を結ぶこと。
詳細まで含めた契約をしっかりと交わしてトラブル防止につなげたいと伝えている。
主も契約事故を起こさないように、優秀な顧問弁護士と立ち会ってもらいながら、原作者と契約を締結することが大事だと思う。
それは原作者側も同じで、トラブル防止で制作側と契約すべき。
なので原作者の意見がすべて正しいという前提には疑問を感じる。
不動産や金融取引だって、きちんとした契約を交わしていなければ消費者が不利になることもあるわけだ。
今後は、アメリカみたいに分厚い契約書を交わす時代になるかもしれない。
もしくは制作に文句を言わない、若い作家や脚本家が選ばれるカタチになる。
日テレ調査書では、ドラマ制作で文句を言わない脚本家の選定を話し合われたことも記されている。
それくらい現場に文句を言わない人員が制作側にとって重要という話だ。
この件で、一番の被害者は脚本家。(もしくは番組スポンサー)
板挟みの状態で、ストレスマックスだったと思うから同情する。
改めてセクシー田中さん問題から、多くの作家の権利が守られるようになることを期待している。
本日の記事は以上となります。
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迷える子羊ちゃんに幸あるように。。。
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