先日、豊島区池袋の西武百貨店で大規模なストライキが行われた。
約41年ぶりという大規模なストライキで若い人は社会の教科書でしかしらない出来事が起きたことになる。
主は若い頃に某百貨店のテナント従業員として勤務していた経験がある。
今回はストライキが起きた件について元百貨店従業員である主が戯れ言を語る。
NHKニュースより要約
参照記事:【詳しく】そごう・西武労組 異例のストライキ実施も売却決議
大手デパート、そごう・西武の売却をめぐって、労働組合が31日、ストライキを実施。
西武池袋本店の全館で営業を取りやめた。
親会社のセブン&アイ・ホールディングスは、売却を決議。
業績の不振が続くそごう・西武を、親会社のセブン&アイが、アメリカの投資ファンドに売却する方針を決めた。
そごう・西武の労働組合は雇用などへの懸念から反発してストライキを実施
売却額は2200億円で、売却の完了は9月1日。
売却にあたってはそごう・西武への貸付金のうち、およそ916億円を債権放棄。
そごう・西武の売却は、組合のストライキ翌日に完了する異例の事態。
そごう・西武は組合との間で雇用維持や事業継続に関する団体交渉と協議を継続する
ストライキは組合員などおよそ300人が参加してデモ行進を行った。
今後の西武池袋本店には、そごう・西武とヨドバシカメラが概ね半分ずつ入る。
NHKニュースより
西武百貨店の売却
亡き豊島区長も、池袋のブランド価値を維持するため百貨店を残すことを希望していた。
主も税金投入してでも池袋の象徴を残した方が良いと思った。
結果的にはセブン&アイ→米投資ファンド→ヨドバシカメラへの転売が完了したことになる。
セブン&アイの2200億円規模の債務を一度引き受ける形で米投資ファンドへ売却し、債務を差し引くと売却益は8500万円ほどらしい。
米投資ファンドが3000億円規模でヨドバシカメラに即売却して、米投資ファンドが1日で1000億円近い売却益を得ることになった。
言うなれば米投資ファンドが転売中抜きで利益を得たわけだ。
本来なら日本企業の間で利益が生まれた方が理想だけど、間に海外企業を挟むのが日本の面倒なところかもしれない。
売却の際に面倒な手間や事務的な問題を米投資ファンドに引き受けてもらうための手間賃みたいなものだろうか。
日本人からのイメージダウンを避けたい事情があったのかもしれない。
セブン&アイ→ヨドバシカメラへ直接の売却はできないものだったのかと思う。
ストライキ
ストライキそのものは従業員の権利なので主は肯定的。
賃上げや待遇改善など、労働者を守るための活動は大事だ。
1日と言わずに盛大にやってほしかった。
日本全体ではストライキは珍しいので非常に興味深い出来事だったと思う。
そもそも労働組合が存在する企業が全体的には少ない。
過去には古田敦也氏を中心としてプロ野球選手会がNPB相手にストライキを起こした事が記憶に新しい。
近鉄バファローズとオリックスブルーウェーブの合併反対と球界再編を求めたストライキで主が高校生の時だった。
労働組合がない中小企業で働く人は行動すらできない。
逆に言えば、労働組合が存在する企業は組織として体力があると言える。
日本全体の99%は中小企業であり、労働者の待遇改善をする余裕すらないのだ。
大多数は大規模ストライキを起こすと会社が消し飛ぶレベルである。
西武百貨店のストライキは運営母体が巨額の借金を抱えられるほどの体力がある企業だらか可能だった。
ストライキか転職か
ただし主が当事者だったらストライキには参加しない。
自己責任とは言わないけど、ストライキに体力を使って待遇改善を求めるくらいなら転職する。
ストライキの参加者を否定する意図は無いけど、変わることを怖れている人達が多いという印象だ。
現実問題として百貨店ビジネスは衰退産業である。
百貨店は金持ちに沢山金を使ってもらうことで成り立つビジネス。
ネットが普及し貧困化が進む日本では厳しい業態であると言える。
百貨店の存続は外商次第
百貨店の利益は、外商の営業担当がどれだけ売上を立てるかにかかっている。
百貨店の存続と売上の大部分は外商の存在が大きい。
なので外商部の人間は良くも悪くもプライドが高い。
主の経験上でも、外商部隊には他従業員への態度が横暴で偉そうな人間も多数いた。
外商担当はある意味でサイコパスの集団だ。
他企業で営業職として通用するスキルは十分にあると思うが、プライドが高すぎて新人として低姿勢に入り込んでいくのは苦労しそう。
雇用を守ってほしい百貨店の従業員は、百貨店で直接雇用されていた外商部などの社員がメインだと予想する。
従業員の受け入れ先
そもそも百貨店勤務でも、バイトなど非正規従業員はストライキに参加するメリットが無い。
また売却後の雇用はセブン&アイやヨドバシが希望すれば受け入れてくれる模様。
今後のセブン&アイは本業のコンビニ事業やスーパーマーケット事業に力を入れたいらしい。
なので受け入れを希望する従業員は、直営セブンイレブンのコンビニ事業、イトーヨーカドー、ヨークマートのスーパー事業、ネットスーパー事業での受け入れがメインとなる。
一方でヨドバシカメラの受け入れを希望する場合は、家電量販店従業員や通販事業ヨドバシドットコムの配送スタッフなどがメインだろうか。
というわけで西武百貨店の残された社員は別企業に転職するか、受け入れ先でコンビニ店員や家電販売をする未来の二択。
百貨店従業員としての雇用を守ることは正直厳しい状況だったのだろう。
外商担当の営業力を活かして、高額なドラム式洗濯乾燥機を販売する方向にシフトした方が良いかもしれない。
ビックカメラとヤマダ電機が同業者を潰して争ってきた池袋でヨドバシカメラが覇権をとれるかは外商の営業マン次第だ。
まとめ
ストライキを起こすことは当然の権利なので徹底的に争ってほしい。
ただし待遇改善のために時間と労力を注ぐのは時間の無駄になりやすい。
転職やスキルアップなど自力で努力してできることに注力した方がベストではあると思う。
良くも悪くも他人に期待しない事が大事だ。
セブンアンドアイ→米投資ファンド→ヨドバシカメラで転売が行われたことは日本社会の面倒な部分を米投資ファンドに丸投げした結果ともいえる
外国に儲けさせてしまうだけで、国の経済が縮小していく姿が描かれているようだった。
政府は衰退産業従事者をリスキリングで人手不足産業に流れるように取り組んでいる。
一般人は衰退産業にしがみつくよりも、人手不足だったり伸びている産業に飛び乗っていく方が雇用は守られやすい。
自己責任論ではないけど、客観的に自分の仕事が社会に必要とされているのかを、定期的に見直したほうが良いかもしれない。
本日の記事は以上となります。
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