今回は、美容師になる方法について3本立てで、お話をしようと思う。
以前書いた記事の加筆修正最新版となっているので、よければ改めて確認してもらえると嬉しい。
第1回目は美容師になる方法や美容専門学校の選び方について簡単にまとめた内容となっている。
新年度への変わり目ということで、来年度に美容師を目指して美容学校への入学を検討している学生さんだったり、美容師転職を視野に入れる社会人の方々まで参考にしてもらえたら嬉しい。
また美容師と関係なく、今後の進路選択で悩む学生さんとか、そんなお子さんを抱える親御さんにも確認してもらえたら有難い。
できるだけ無駄な時間を過ごさずに効率良く金を稼ぐ人材になるために必要なことは何だろうか?って考えるきっかけにもなったら良いなと思う。
美容学校選びで迷っている方や選ぶ基準について参考にしてもらったり、また美容師になる気が無い人には美容師免許取得の闇をパロディとして楽しみながら知ってもらえたらと思う。
美容業界がより一層、向上することを期待して美容師の本音を綴った。
ぜひ最後まで一読願う。
この記事で解説することは主に下記の内容となる。
・美容師になる方法
・美容専門学校を選ぶコツ
ちなみに僕は現役のフリーター美容師で起業廃業経験がある子持ちのアラサー。
結論:美容専門学校は美容師免許取得を目指す以外で全然役に立たない教育機関。
だから美容専門学校に費やす時間や学費は「必要最低限でOK」。
というわけで、美容専門学校は美容師免許を取得する以外には何の役にも立たない教育機関である。
どういうことかと言うと、美容専門学校は美容師のキャリア構成にまったく影響しないし、免許取得以外で役に立つことが全然無いってことなんだ。
ちょっと語弊がある言い方になったけど事実である。
なので美容専門学校の入学先を選ぶことに拘って時間や多額の費用をかけるのはハッキリ言って無駄でしかない。
美容師の資格取得には時間も費用もできる限り最小限にした方が良いと僕は思う。
もちろん美容師を目指している人のことを否定する意図は全然無いし、むしろ応援したい気持ちでいる。
また現役美容師さんの目線でみれば、僕の意見と逆の意見を持つ人もいるだろう。
でも、現場目線なら美容師免許取得までの過程に大きな差はない。
正直、美容師は美容師免許があればそれでいいのだ。
美容師と理容師
まず最初にこれを知識として確認してほしい。
理容師は床屋さんって呼ばれたりするけど、ここでは理容師と正式名称でお伝えする。
そんでもって、よく違いを聞かれることがあるんだけど理容師と美容師って似てるようで全く別物だ。
実際にやってることも似通っているけど、法律で理容師と美容師は別物として扱われている。理容師法、美容師法という法律が、それぞれ存在する。
具体的に何が違うかって話をすると顔剃りをやるか、やらないかが大きな特徴だ。
基本的にはこれしかない。
顔剃りをやるのが理容師、法律上で顔剃りが許可されていないのが美容師ってことになる。
顔に刃物を当てることができる分、理容師の方が仕事の幅は広いといえよう。
現代では男性でも美容室を利用する人が多くて、店舗も従業員も美容室の方が理容室より圧倒的に多い。
なので活躍の場は美容師の方が多いとも言えるし、理容師の方が希少性があって仕事の幅が広いから価値があるともいえる。
ただし理容室と美容室では顔剃りの関係で設備が異なるために保健所の届け出が別物。
だから美容院で働きたいと思ったら理容師は働くことができない。
その逆も同じである。
なので免許違いで働きたい場合、両方の免許を取得する必要がある。
例外として条件付きで許可されることもあるらしいが基本的には違法だから無理と考えてほしい。
なので美容室で働きたい人は美容師免許、理容室いわゆる床屋さんで働きたい人は理容師免許が必要なのだ。
自分がどちらで活躍したいのかをしっかり確認しよう。
美容師免許を獲得する方法
というわけで美容師免許を取得するには国が指定した美容師専門学校を卒業する必要がある。
これは理容師も同じだ。
厚生労働省から認可を受けた専門学校が対象となるので、美容学校を選ぶ際には厚生労働省認可の文字が記載されているかを確認しよう。
美容師の専門学校を卒業後、もしくは在学中に卒業見込みとなれば理美容師の免許取得に必要な国家資格の受験資格をもらえる。
そして国家試験に合格して初めて免許が国から与えられるのである。
つまり美容学校へ入学しないと国家資格は手にできないということになる。
国家試験受験のためには美容学校入学が絶対条件になるんだ。
法律に基づいて国家試験が各都道府県で行われて、免許は厚生労働大臣が与える。
僕は東京都登録で免許を取得した。
余談だけど、僕が美容師免許を取得した当時の厚生労働大臣は舛添さんで、免許を紛失して再発行したら長妻さんに大臣の名前が変わった。
舛添さんの名前が無くなってしまってショックだった。
免許紛失には注意しよう。
昼間制と夜間制と通信制
現在は、美容師免許を取得するには昼間2年間みっちり美容専門学校へ通って免許取得を目指す昼間制と、3年間で免許取得を目指す通信制や夜間制がある。
通信制は決められたスクーリング期間に学校へ通って技術指導などを受ける必要がある。
学校によっては理美容室で働きながら通うことが入学の条件になる場合もある。
ちなみに僕の少し上の世代までは、直接現場で働かないと免許が取得できないインターンという実習制度が存在したけど、現在は学校へ通うだけで取得できる制度へと変更になって美容師免許の取得難易度が下がった。
美容師は中卒でも資格取得できる学歴が関係ないフェアな仕事
美容専門学校は基本的に高卒以上から入学対象となるけど、中学を卒業したら入学できる高等教育過程(3年間)も存在する。
この場合は、高卒資格と美容師免許取得のための訓練を受けて卒業時に国家試験を受験する事ができる。
とはいえ、必ずしも高卒じゃないと免許が取得できないわけではない。
現在だと中卒の場合は通信課程で免許取得する方法があるので、美容師免許が欲しいだけなら誰でも所得する手段がある。
実際に僕も高校を卒業していない中卒の美容師にたくさん出会ってきた。
中学を卒業してすぐに働いている10代の若い美容師にも大勢出会ってきた。
ある意味で美容師は学歴に囚われず実績と実力を評価してくれるフェアな業界であると言える。
大卒だろうが中卒だろうが美容師免許を持っていれば基本的には平等なのだ。
だから僕にとって美容師の業界は学閥とか学歴マウントが無いから居心地が良かったりする。
美容師免許に地方と都会の差はない
美容師免許は国家試験だから取得すれば日本中どこでも美容師として働くことができる。
僕は田舎を飛び出し東京の美容学校へ入学して東京で就職した。
田舎の美容室で働いたことはないけど、都心以外にも都内ベッドタウンや埼玉、千葉エリアの美容室で働いたことがある。
それぞれのお店には様々な地域の出身者がいて卒業した美容学校もバラバラ。
その経験から思うことは都会の美容学校を出たからと行って都会の美容室で待遇が優遇されるかというと全然関係ないってことだ。
つまり地方の美容学校を卒業して都会へ出てきても働き先はあるし、地方の美容室で働いたあとで転職で都会の美容室で働くことも全然可能であるってわけ。
そのへんは採用する美容院や会社にもよるけど、実体験で地域の理ってほぼ関係ないと感じた。
だから、どこの美容学校を卒業したからダメとかOKって話は基本的に採用に関係してこない。
だから、とりあえず美容師免許を持ってれば何でもOKってスタンスなんだ。
だからオシャレな東京の美容学校に行った方が良いとか地方の美容学校は流行が遅れてるからダメとか、そんなのは全然関係ない。
とりあえず普通に美容師として働ければいいやって思考なら美容学校の立地にこだわる必要は全く無いのだ。
ただし都会から田舎へのUターンは都会の経験がお客さんに向けてのアピールポイントになる場合もある。
というわけで、美容学校を選ぶなら立地で選ぶよりは生活費を最小限にするために実家の近くにするとか、家賃が安くて生活しやすい地域で自己負担が少なくて通いやすさを重視して選んだほうが僕はベストだと思う。
学校のオシャレさとかセンスは選別対象にしなくてOKだ。だから免許取得のための美容学校に長時間かけて通学するのって、僕は超無駄な事だと思う。
オシャレな美容学校に行くとモチベーションが上がるって話なら別だけど、自分の時間は大事にした方が良い。
もちろん都会で受ける刺激も大きいけど、美容学校そのもので体験できることはどこの美容学校でも対して変わらない。
なぜなら美容学校で国家試験合格を目指すカリキュラムは国から指定されているからだ。
職種によっては通信制が向いてなかったり、大卒が有利な場合もある
ただし、「美容院で美容師の仕事をしたい!」って人以外は通信制が向いていないケースがある。
通信制に通いながら免許取得を目指しつつ、現場で技術を学んだり体験したい人はお店選びで制限が生まれる。
基本的に無免許の場合、入客して技術を行うことができない。
例えば、まつ毛のケアなどを専門とするアイリストになりたいとか、メイク関連の仕事がしたいって理由で美容師免許を必要とするなら通信制は向いていないかもしれない。
特にアイリストの場合、専門店では即戦力重視。
免許を持たない人間を雇ってくれない可能性が高い。
お店にとっては美容師免許を持っていない人は、利益を生まない余剰人員と化すのだ。
美容院でもカット専門など、特定の技術をウリにするお店ほど通信制学生を受け入れてくれない可能性がある。
なのでアイリストで就職したい場合は、2年間学校に通って免許を取得してから就職する方がベストな場合もある。
免許を持たない人間は門前払いの可能性があるからだ。
あとメイク関連の場合は、大卒で大手メーカーに就職する方がキャリア構成にはベストな可能性もある。
なぜかというとメイクに関しては原則美容師免許が必要ない。
会社によっては大卒学生を採用後に、メイクの技術を教えて現場に立たせる場合もある。
これは美容施術をしても、お客さんと同意の上で技術提供すること、お金のやり取りがなければ原則美容師免許って必要ないというグレーなルールがあるからなんだ。
デパートで美容部員さんがメイクを無料で施術してくれる。
そのうえで化粧品の物品を購入してくれるならOKって考えである。
たとえば美容師免許を持たないお母さんが自宅で子供のカットをしても違法にならないのと同じような仕組みって考えてもらえれば良いと思う。
そこには無償で互いの同意が発生してるって関係だからである。
美容部員の場合は、お客さんに化粧品を売るために無料でメイクをして差し上げるっていう同意の元に仕事が成り立っているのだ。
かなりグレーゾーンな見解だけど、お客さんがOKならOKって話である。
とある超大手の美容商材メーカーに関しては、大卒学生を採用後に会社負担で通信制美容学校に通わせて免許取得させて技術を習得させようとしている会社もある。
なので美容師免許が無くても働かせてもらったり免許を取得させてもらう方法だってあるんだ。
なので美容関係の仕事に就きたいと考えるなら大学へ行くって選択肢もアリ。
大卒資格を取得しつつ、上手くいけば美容師免許まで取得させてくれるケースもある。
僕の元同僚には、大学に通いながら夏休み等の隙間時間に通信制で美容師免許を取得した人もいる。
絶対に美容院で働きたい!って強い気持ちがないなら、とりあえず大学へ行く選択肢も悪くはないと思う。
基本的に美容院で美容師として働く経験をした方が良い
とはいえ、美容室で働いて美容師の経験をするのは悪い選択肢じゃないと思う。
もし可能なら美容室で一通りの技術や知識を習得してスタイリストを目指してほしい。
特にカットができるだけでも仕事の幅は違ってくる。
カットの技術習得は難しくて時間がかかるので大きな強みになるのだ。
そのあとで仕事の幅を広げるためにアイリスト、ネイリスト、メイクアップの技術習得を目指すのはありだと思う。
長い目でキャリア構築を検討してほしいと思う。
たとえアイリストやメイクアップアーティストのようにカットをしない美容師を目指していようとも、美容室で働く経験は技術力を飛躍させて仕事の幅を広げる。
長く仕事をしていれば、今後どんな事情で仕事を辞めたり転職しようって気持ちになるかは不明だ。
アイリスト、ネイル、メイクの仕事が法改正でルールが変更されたり、仕事そのものが出来なくなったり、過当競争で高い給料がもらえなくなる可能性だってある。
なので美容師を目指すなら技術の幅を多少でも広げておいた方が良いとは思う。
個人的にはアイリストとネイルの仕事に関しては、流行の変化、テクノロジー(技術)の進化、余剰人材で将来的に今より稼げなくなる可能性があると考えている。
3Dプリンター等の普及で、ネイリストがほぼ必要なくなる可能性もある。
もちろん一芸に秀でた技術とか個性のある人間は貴重だとは思うので、一つの技術を突出して極めるのは良いと思う。
だけど「個性」を磨くことも同じくらい重要。
「なにができるか」よりも「誰に」依頼したいかって市場を作り出すことが大事なのだ。
これはもちろん美容室で働く美容師にも言える話であるけど。
話は逸れたけど、アイリストやネイリストになりたいと考えている人も美容師免許を取得するために美容室で働く経験をしておくことは貴重な体験になるってことだ。
まとめ
美容師になるためには美容師免許の国家試験に合格する必要がある。
そのためには美容師専門学校で学び国家試験の受験資格を手にする事が最初のステップだ。
ただし美容学校で覚えた事は美容業界の現場では何の役にも立たない。
正直言って美容師の真似事をした「おままごとスキル」でしかないから、ぶっちゃけ美容学校で多くのことを学ぶ必要は無い。
直接、お金のやり取りがされている現場で働いた方が多くのことを学べる。
なので美容学校は国家資格合格のためだけに必要な最低限のことを学べれば十分ってことになる。
美容学校に昼間2年間通って学ぶ事は、高額な学費に対して実践で役に立たない無駄な知識や技術が多過ぎる。
つまり美容専門学校に入学しても現場で即戦力になる実践的なスキルが全然身につかないばかりか、マジで役立たずな美容師を量産することしかできない。
これは業界の闇というか課題でもあるので改善していかなければならないとは思う。
でも現状ではそれがずっと許されているし、文化として定着している。
だからルールの中でやりきるしかない。
僕個人は美容専門学校を選ぶコツは学費の安さと通いやすさを重視して免許取得の踏み台にしてもらえれば無駄がないと思う。
だからオシャレな美容師を目指すために地方から都会へ出なくちゃいけないとか、そういうのは全然関係ないのだ。
ぶっちゃけ美容師免許取得ができる美容専門学校ならどこでもOKである。
なので費用負担が少なく、通いやすさ重視で学校を決めた方が良いだろう。
僕個人のおすすめ免許取得方法は通信制に通いながら早く美容室という現場に飛び込んで社会経験をした方が良いと思う。
これなら時間とお金を無駄にせずスキルアップを目指せる。
また自分の隙間時間をより多く確保する方法だから精神的にも優しいのでぜひ検討してほしい。
なにより時間を大事にしてほしいんだ。
美容室で働く美容師になりたいわけじゃない人も仕事の幅を広げる事につながるからアイリストやネイリスト希望の子もぜひ検討してほしい。
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