先日、都立高校でツーブロック禁止など、かねてから不評だった一部の校則が4月から廃止されるという報道を耳にした。
今回はFNNプライムオンラインの記事を参照して、元美容院経営者の目線で僕がブラック校則について思うことを3本立てでお伝えしたいなと思う。
1回目は校則の厳しさを偏差値に応じて変動させるべきという話だ。
学生さんはもちろん、僕と同じように子供を持つ親の立場である人たちにも参考にしてもらえたら嬉しい。
ちなみにFNNプライムオンラインの記事内容にはほとんど触れていない。
4月から教育現場で何が行われるかを確認するためにも一読してもらえたらなと思う。
参考記事:ツーブロック・下着の色…“ブラック校則”5項目を都立高校が4月から全廃 都教委に理由を聞いた
内容としてはブラック校則と呼ばれる校則を5つ廃止するとのこと。
今回は廃止される校則について、美容師的な目線で触れていきたいなと思う。
ブラック校則とは
ブラック校則のブラックとは、いわゆるブラック企業のブラックと同じような意味合いで揶揄されている。
つまり「理不尽」とか「合理的でない」とか「正当性が無い」というイメージの校則と考えてもらえればいいと思う。
昨今では、学校側による規律が生徒に対して理不尽な内容であることが問題視されたりしている。
学校の歴史が古いほど大昔に作られた時代に合わない規律が残っていたりして、生徒や保護者を巻き込んだ騒動に発展しているパターンがある。
個人的に都立高校で全廃は反対
ただ、個人的にブラック校則の「全廃」には反対の意見である。
正確にいえば、理不尽でかつ犯罪に触れる可能性のある校則は無くした方が良い。
校則の廃止をするのは「学校ごと」に見極めて行うのが望ましいと思う。
今回はこの理由についてお話していこうと思う。
都立高校で5つの校則が全廃へ
というわけで今回、都立高校で全廃されることになった校則が5項目あるということで確認してみよう。
東京都教育委員会によると、3月10日の定例会で下記の6項目について、調査などを行った結果から5項目の全廃をする方向になったとのこと。
対象は都立高校の全196校中210課程で調査をして、下記のような校則がどれくらい存在するのかを確認したとのこと。
課程というのは、全日制・定時制を含めて「普通科」、「商業科」、「農業科」などの高校における課程のこと。
(1)生来の髪を一律に黒色に染色:7課程
(2)「頭髪に関する届出(任意)」の提出:55課程
(3)「ツーブロック」を禁止する指導:24課程
(4)登校しての謹慎(別室指導)ではなく、自宅謹慎を行う指導:22課程
(5)下着の色の指定に関する指導:13課程
(6)「高校生らしい」等、表現があいまいで誤解を招く指導:95課程
の6項目が調査対象となり、
(2)「頭髪に関する届出(任意)」の提出:55課程
を除く5項目は全廃の方向になったという。
郷に入っては郷に従え
ブラック校則は良くないとしつつ、僕自身は基本的に校則には従うべきだと思う。
古くからこんな言葉があるように、ルールがあるなら従うことが大事だと思う。
特に義務教育期間中であるなら理不尽な校則は良くないと訴えていく方が良いけど、高校に関しては義務教育の対象ではない。
ある程度は志願して飛び込んでいく以上、学校のルールを把握したうえで従うべきだと思う。
時代が古いとか合理的じゃないとか関係ない。
僕自身も高校時代は染めてみたりと、校則を適度に破りながら先生を怒らせたり困らせたりしてきた。
でも、ある意味では
・どこまでルールを破ってOKなのか?
・どこまでやると大人を怒らせるのか?
・やってはいけないのはどこまでか?
を自分で学ばせる良い機会じゃないかと個人的に思ったりしている。
なので経験上は偉そうに言えないけど、大人になった目線で考えたら、基本的には所属する環境とか組織に染まるべきであると思う。
とくに高校生の思考は所詮子供だ。
少年法改正で18歳から成人扱いになるけど、高卒年齢を満たすまでは大人の管理下に置いておいた方が良い。
ハッキリ言って善悪の区別が付かない幼稚な思考の学生も多くいるから、ある程度は規律を設けておいた方が良い。
少年法改正が4月から適用されるのと同時に高校3年生は誕生日が早い生徒から順番に社会での責任が重くなる。
こうした大人であると社会から認められることもしっかりと学ばせながら、一定の管理下で指導していくことが大事じゃないかと思う。
そもそも校則って、あまり意味がない
ブラック校則というのは、生徒にとって不快であると感じればブラック校則になるし、不快だと感じなければ何とも思わないわけである。
そこらへんの線引きは非常に難しくなるし、教育現場の負担も大きくなるんじゃないかと思う。
そういう意味では、今回の校則を緩和することが生徒と教師の負担を和らげることになるかもしれない。
一方で校則をある程度厳しくしておく方が教師の仕事も楽になるし、校内の秩序を保つことができる場合もある。
校則で禁止事項を細かく定めておく方が面倒なトラブルとか問題点に頭を悩ませることなく仕事に集中できるってわけだ。
何を言っても決まりだからダメなものはダメ!
ってことで、思考停止して一蹴できる環境が教育現場の負担を減らすことができる。
高校時代の僕みたいに、校則に従わない生徒は何をしたところで従わないし、従う生徒はどんなに緩い校則を設けたところで大きな冒険はしない。
そういう意味で校則そのものに大きな意味は無かったりする。
校則は学校の偏差値に応じて変えるべき
言い方が悪くなることも、批判的な意見をもらうことも覚悟の上で僕の個人的な意見をお伝えしよう。
学校側は学校の偏差値に応じて柔軟に変化させた方が良い。
つまり入学難易度が高い高校ほど校則を自由もしくは緩くした方が良い。
まず高校の秩序ってのは学校の偏差値次第で変わってくる。
例えば、偏差値が高い(勉強が得意な)生徒が集まってくる学校の場合は、校則が緩くても大きな影響がない。
これは僕の経験上で感じたことでもある。
偏差値が高い学校の生徒は勉強に一生懸命で、人生において目標だったり方向性が定まっている学生が多い。
部活動でも文武両道をキープしているなら課外活動も忙しいだろう。
なので余計なことに時間を使っているほど暇じゃないし、そもそも関心が無い。
髪型を自由にしたところで、奇抜な髪型で個性を主張しなくても、学業や課外活動でそれぞれが個性を出せる。
学業に限らず優秀な学生ほど成功体験が多いから自己肯定感も高いから規律を乱しにくい。
また偏差値が高い学校ほどイジメ問題が少なく、家庭環境が安定している生徒が多いとも言われている。
その反面で、偏差値が低い学校ほど勉強に力が入らない生徒が多くなる傾向にある。
また自己肯定感が低くて、目標もない暇な人間が集まると、他人への干渉をして来る。
いわゆるイジメとか、かまってちゃん。
他人に迷惑をかけて暇つぶしをするのだ。
なので偏差値が振るわない学校の生徒は申し訳ないけど民度が低くなりがち。
つまり問題行動を起こす生徒が多く集まってくる。
じゃあ、そういう学校の生徒が厳しい校則を守るかって言うと守らない。
でも一定の校則を設けて指導していくことで、環境になじめないなら謹慎させるか退学してもらう。
そうすることで規則を守っているマジメな生徒を守ったりとか、校内の問題行動を減らすことができるのだ。
公立高校はどうしても平等な評価をしなきゃいけないから、問題行動を起こしそうな生徒でも合格水準を満たしていたら受け入れなきゃいけない。
なので校則を理由に厳しい規律を正していくことで、秩序を乱すタイプの生徒を受験させないようにしたり、入学しても行動を改めないなら排除することができるってわけだ。
そういう意味で都立高校での校則を全廃するのはどうかと思う部分もある。
本来は学校ごとに特色を持って行うべきだと思う。
わかりやすい点で言えば、学校の偏差値に応じて校則の緩さを変えて行くこと。
ブラック校則は無くすべきだけど、偏差値が低い学校の校則は厳しめにした方が合理的である。
偏差値が平均的な高校
偏差値が高い学校は校則を緩くして、偏差値が低い学校は校則を厳しくした方が良いと伝えた。
一方で
偏差値が中間ぐらいの学校はどうすんの?
って話だけど、適度に髪型とか持ち物の制限を設けた方が良い。
学校全体の偏差値が伸びていくようなら、校則を緩くしていく条件付きなら頑張ろうって生徒のやる気が生まれるかもしれない。
また個別で偏差値が一定数上がったらツーブロックを許可するとか、わかりやすい条件を付けることが学校全体にもプラスになるんじゃないだろうか。
偏差値が下がれば許可は取り消し。
こうした柔軟な取り組みがあっても面白いと思う。
この辺は公立よりも私立高校の方が実現可能かもしれないが。
ブラック校則全廃の取り組みは全国へ広がっていくのか
公立高校の場合は、ある程度まで統一された基準に基づいて教育が行われていくし、それに準じて指導も処分もされる。
なので規則を守らなくても私立高校ほど厳しい処分を受けることは無い。
法律とは別世界の話だから、校則を守らない生徒の処分方法は学校次第なのだ。
もちろん法律違反になるような規則は問題になるから可能な範囲でとなる。
でも学校が定めたルールを守らないことに対しての処分方法は私立高校ほど自由であるのは当然だ。
学校教育法という法律と文部科学省が設定したカリキュラムを遵守していれば、学校設立者が校内のルールを決めるのは問題ないわけである。
なので、しばらくは都立高校だけの動きとして校則が見直されることになるだろう。
そこから各道府県に広まっていくことになるとは思うけど、全国に広まるのは時間がかかると思う。
伝統とか現在の僕みたいに慎重な意見を持っている人がすぐに首を縦に振らないだろうからだ。
また私立高校にブラック校則を廃止する動きも多少はあると思うけど、完全に無くなることはないと思う。
もちろん生徒を集めないと運営できないほど追い詰められた学校は緩和して生徒集めをするかもしれないけど、放っておいても受験生が殺到する名門私立ならあえて校則を緩和していくことをしないのではないかと思う。
とりあえずツーブロックをやりたい都立高校の学生さんはおめでとう!
ただしツーブロック禁止は一定の効果がある
以前、僕のブログや動画でツーブロックについて意見を述べたことがある。
個人的には髪型は自由にやりたいようにやればいいと思う。
でも、一定数デメリットもあるから注意した方が良いとも話した。
大きく分けて2つの理由がある。
それは
・ツーブロックの定義が広すぎること
・ツーブロックに良いイメージを持っていない人もいるから
という点である。
ツーブロックという髪型はさわやかな見た目から、派手で奇抜な髪型まで様々なスタイルを実現できる。
なので髪型の幅が広がりすぎて、何でもアリになっちゃうってわけ。
ツーブロックを許可することは、事実上の髪型の自由化であるともいえる。
刈り上げる箇所や長さの規定を設けるとかしないと、先生の主観ではどうにも注意することができなくなるのだ。
特に高校生は卒業後の進路として、大部分が進学か就職のどちらかを視野に入れた生徒で真っ二つになる。
学校によっては就職組の生徒が多くなるケースもあるだろう。
でも生徒を採用して受け入れる側にとって、奇抜で派手な髪型の学生を採用することをよしとしない経営者もいるかもしれない。
社会から頭髪の乱れた生徒が多い学校という印象を植え付けてしまうと、生徒の進路に影響を及ぼしてしまう可能性もある。
実際に美容師の仕事でも、ツーブロックに良い顔をしない上司に髪型を注意されたなんてお客さんの意見を聞くこともある。
実際に就職活動をしている学生さんもツーブロックは控えている傾向にある。
ある程度は何の特徴も無い短髪であることが、就職を有利に働かせているのかもしれない。
個人的には大学進学率が高い学校ならば大学受験で髪型が大きなハンデにはなりにくいと思うけど、進学希望の生徒が少ない学校は頭髪の規定があっても良いんじゃないかなと思う。
これもある意味では学校の偏差値次第って話だ。
美容師目線での危機感
美容師目線では校則が存在するおかげで売上が見込めていた部分もある。
例えば、学生さんが多くいらっしゃるお店の場合には、校則で髪型が指定されているおかげで定期的に来店をしてくれる。
髪の毛が耳にかかるとNGとか前髪が目にかかるとNGとか。
なにかしらの指定があることで美容院へ来店する口実になる。
そういうわけで美容室にとっては、校則のおかげで学生さんの定期的な来店に繋がってくれている可能性がある。
ブラック校則撤廃と同時に、自由な校風になっていくことで長髪も容認されていけば美容室業界全体の損失になる可能性がある。
親目線で考えれば、子供の髪型は可能な限り伸ばして可能な限り短くしてくれることが望ましい。
またカット料金が安いお店にとっては、バッサリとカットするスタイルチェンジが大きな負担にもなる。
時間がかかるし手間もかかるし技術的にも高度になるから、低価格でのスタイルチェンジは割に合わないのだ。
できることなら低価格でのスタイルチェンジはやりたくないと思っている経営者は多いはず。
スタイルチェンジのお客さんばかりになったら、物理的にお店の運営維持が不可能だからである。
まとめ
校則は生徒が安心・安全に学校生活を送るために作られた規律である。
なので基本的に守るべきである。
その上で、時代と共に不要になる規則があるのも当然だろう。
定期的に見直していけば良いと思う。
SDGsを学校の教育現場に持ち込んでいる以上はジェンダー等の問題も無視は出来ないだろう。
そのうえで、規則を曖昧に柔軟にし過ぎてしまうことは危険だ。
個人的には、自分で判断できない子供たちが集まる学校という場所は厳しめの規律を設けておいて良いと思う。
ある程度、学校ごとに偏差値や地域とか生徒の特色に合わせて設定することが望ましい。
なので都立高校すべてで一律ブラック校則全廃は危険だと思う。
学区の問題はあるけど、都内は交通インフラが優れているので柔軟に学校を選択できる。
よって自分に合った学校を多くの選択肢から選べる環境下にあるといえる。
それぞれ明確に細かい基準を設けて運営してほしいと思う。
学校の先生も大変になると思うけど、ぜひ良き大人の模範として子供たちに接してほしいと思う。
本日の記事は以上となります。
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ではまた次の記事でお会いしましょう。
迷える子羊ちゃんに幸あるように。。。
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